今回は、俳優千葉真一氏が初監督作品、1915年(大正4年)の12月に起こった日本最悪の熊害事件「三毛別事件」を原案とした、マタギ達と人食い熊に家族を殺された少女の復讐劇。真田広之を主役に添えた、人食い熊「アカマダラ」に挑むアクション映画となっています。
あらすじ
舞台は、大正末期の北の国。
深い雪に包まれた寒村にて、女だけを襲い食い荒かす「人食い熊アカマダラ」が猛威を振るい、村々を襲っては人々を震え上がらせていました。マタギである鋭治は仲間達と共にアカマダラを仕留めようと、雪に沈んでいた山々を巡りますが、アカマダラを見つける事は出来ず。
そんな中でアカマダラを追う一人のマタギが居ました。
愛犬と共に熊を仕留めたマタギは女であり、鋭治の幼馴染であるユキだったのです。
アカマダラによって家族を奪われ、母親を惨殺されたユキは、仇を討つ為に一人山の中に生き、マタギとしてアカマダラを追いかけていた彼女。
鋭治は、女だてらにマタギになっていたユキを気遣いながらも、アカマダラに対する復讐心に冷静さを欠いたユキとすれ違う。アカマダラは、またマタギ達の警戒網を抜け、祭りに騒ぐ村へと訪れ、またもや一家を惨殺してしまう。
もはや一刻の猶予も許されていません。
鋭治はアカマダラを討つ為に、小屋に女の着物を集め、アカマダラを誘い込もうとしますが、そこのユキが訪れ、共に戦う事になっていく・・・・と、本編は進んでいきます。
この作品の魅力
筆者が本作で見て驚いたのは、やはり熊の恐ろしさ。劇中で人々で惨殺するアカマダラに怯えて、夜に眠れなくなってしまったのですが・・・。中学生の頃に改めて見てみれば、着ぐるみの熊・・・あの子供の頃に見た恐怖は何だったのかと、疑問を抱いたものです。
劇中で登場するライフル銃は存在感があり、連発出来ない銃で熊に挑むマタギの緊張が伝わる演出に夢中になったのですが、ヒロインのユキこと村松美香こと「巨獣特捜ジャスピオン」でキューティークイーンで登場していた彼女が、後半で見せる大胆な姿は思春期の筆者には非常に目の毒でした。
あの寒空の中で、あの薄着でいたのかと思うと、当時のアクション俳優の苦労がしのばれてしまいます。
熊の恐ろしさと、またそれに挑むマタギのアクションが必見となる今作は、おススメの邦画として見て欲しい作品です。

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